日焼け跡

震える僕の指 掠れた君の声
噛み合わない歯車が 空回りする

錆びたギターの音 忘れた僕の歌
君のために唄ったはずだったのに

呼吸を忘れて ただただ怯えていた

2年と10ヶ月の指環の日焼け跡が僕を弱くする
さよなら 大好きな君との想い出を境界線の無い白に重ねた


埃かぶったアルバム 積み重ねた手紙
指折り数えても数え切れない

誇り冠った僕は 君のせいにしてばかり
いつしか優しさは自分のためになった

途中を忘れて 答えを出してしまった

2年と10ヶ月の指環の日焼け跡が僕を脆くする
溜息を吐くたびに僕の未来図が少しずつ零れ出す


裏表のトランプをごちゃ混ぜにしても
あの頃の僕らなら指先ひとつで揃えられたのに


目に見えない真っ白な 指環が僕のことをぎゅっと締め付ける
ありがとう 大好きな君との想い出を境界線の無い白に そっと・・・

2年と10ヶ月の指環の日焼け跡は か細く消えて行く
さよなら 大好きな君との想い出は僕の心に跡が残ったまま

 

窓際に置いてた本、水着の跡、指環の日焼け跡。

 

日焼けせずに残った真っ白な部分はどこか寂しさを感じさせる。

 

もう終わったはずなのに、もう外したはずなのに。

 

2人の薬指の真っ白な日焼け跡が、僕らの知らない指環に見えた。